筑波大学・通信システム研究室

無線通信で培った信号処理を、音と光へ。

電波が届かない海の中や、濁った水の中の工事現場。電波が飛び交い、混み合う道路。そして、異変がまず音として現れる農場や畜舎、温室。現場ごとに事情は違いますが、必要になる技術は共通しています。私たちは、無線通信の研究で培ったディジタル信号処理を音波可視光に応用し、それぞれの現場に「通信」「測位」「センシング」を届けています。

筑波大学 理工学群 工学システム学類 / 大学院 理工情報生命学術院 システム情報工学研究群 知能機能システム学位プログラム

数字で見る通信システム研究室

54

学術論文(査読付)

68

国際会議での発表

95

研究に関する受賞

12

大学院生の出身校
(他大学・高専を含む)

6

博士の早期修了者
(博士修了 10 名中)

14

優秀修士論文賞の受賞者
(修士修了 48 名中)

※ 論文・国際会議・受賞は本研究室の実績、修了者数は 2011〜2025 年度の累計です。詳細は研究業績およびメンバーのページをご覧ください。


研究室概要

研究室のイラスト — 船上のウサギ、潜水するウサギ、水中で作業するウサギが音波でやりとりする様子。水中音響通信の研究テーマを表す。

本研究室は、筑波大学・理工学群・工学システム学類、および、大学院理工情報生命学術院・システム情報工学研究群・知能機能システム学位プログラムに所属しています。

無線通信・ディジタル信号処理を軸に、海の中から農場、道路、工事現場まで、現場に出て実際に動くシステムをつくることを大切にしています。理論やシミュレーションだけで終わらせず、自分で組んだ装置を駿河湾・下田・館山などの実海域や、実際の養豚場・牛舎・温室へ持ち込んで確かめる。それが本研究室のスタイルです。

無線通信システム — 音響通信(水中・陸上)と可視光通信(水中・陸上)。沿岸域での水中音響通信の概念図、実験船、計測機器、送受波器の写真。
ロボティクス — 水中ドローンと建設機械。自律型水中ロボット、水槽試験、水中施工用建設機械、遠隔操作の写真。
測位システム — 音響測位(水中・陸上)と可視光測位(水中・陸上)。海上での測位実験、水中施工機械、起重機船、計測装置の写真。
農業・畜産IoT — 豚・牛の精密飼養と病害虫モニタリング。養豚場と牛舎での計測、トマト温室、葉上のコナジラミの写真。

研究分野

海中 IoT を実現する水中通信システム

電波がほとんど届かない海の中では、音が唯一の通信手段です。反射が入り乱れ、波で刻々と変わる浅い海でも高速・確実に通信できる方式を設計し、実海域で確かめています。

放送設備とスマホを活用する音響通信システム

身の回りのスピーカーとスマートフォンのマイクだけで情報を送る仕組みです。専用の機器を増やさずに使えるよう、計算量の小さいモデムを設計しています。

高度道路交通システムを支える可視光通信システム

信号機やヘッドライトなど、すでに街にある LED の光を通信に使います。電波が混み合う場所でも干渉せずに情報を届けられることが強みです。

スマート農業・畜産のための音響モニタリング技術

豚のくしゃみの音から体調の異変を捉える、温室の難防除害虫(コナジラミ類)を検知する。信号処理の技術を、農業・畜産の現場の課題解決に応用しています。

水中施工を支える情報化施工技術

濁った水の中では、作業機械が今どこにいるのか分かりません。音や光で正確に測位できるようにすることで、水中工事の工期短縮と安全性向上をめざしています。

研究の詳細は教員紹介(英語)をご覧ください。


配属・進学を考えている方へ

学類生(卒業研究)の方へ

卒業研究では、一つのシステムを一人で最後まで作り上げ、実際に動かすことを目指します。どのシステムに取り組むかは相談のうえで決めます。

  • 回路をつくり、機械加工をし、プログラムを書く。一通りを自分の手で経験できます
  • MATLAB・LabVIEW など、企業でも広く使われるツールを実務レベルで習得できます
  • 自分でつくったものを、実際の海や現場へ持ち込んで試せます

予備知識は必要ありません。最初は何も分からなかった人が、最後には使いこなせるようになっています。求めているのは、研究に対する興味・情熱・行動力・協調性、そして「食わず嫌いをしない姿勢」です。

他大学・高専から大学院進学を考えている方へ

本研究室の大学院生の出身校は 12 校にわたり、学外から進学してきた学生が数多く在籍しています。外部からの進学は、まったく珍しいことではありません。

筑波大/明石高専/都立産業技術高専/小山高専/群馬工専/千葉大/横浜国立大/電気通信大/東京理科大/日大/芝浦工業大/金沢工業大

  • ハードとソフトの両輪で研究に取り組みます。実機の製作・実験による検証と、計算機シミュレーションの両面から指導します
  • 修士修了 48 名のうち 14 名が優秀修士論文賞を受賞。学長表彰・研究群長表彰・茗渓会賞などの実績もあります
  • 博士後期課程では、修了 10 名のうち 6 名が早期修了しています
  • 国際会議での発表機会が豊富にあります(これまで 68 件)

協調性があり、好奇心があって、研究意欲旺盛な方を歓迎します。


修了生の進路

通信・電機・自動車・建設・研究機関など、幅広い分野へ進んでいます。「活躍する場所を限定しない広い知識と行動力」を養うという指導方針が、そのまま進路の広がりに表れています。

ヤマハ/あおみ建設/とめ研究所/トヨタ自動車/TOA/デンソー/農業・食品産業技術総合研究機構/住友電工/大林組/前田建設/NTT 東日本/KDDI/富士通/東芝デジタルソリューションズ/野村総合研究所/NTT 研究所/産業技術総合研究所/ソニー/NEC/三菱電機/ソフトバンク/日清製粉/オンキヨー/ジェイテクト/ヤマハサウンドシステム/デンソーテン/みずほ情報総研/NTT コムウェア/三菱電機ビルテクノサービス/キヤノン/警視庁/NTT データ(順不同)

修了生一覧と受賞歴はメンバーのページをご覧ください。


まずは、研究室を見に来てください

研究室を選ぶときは、実際に足を運んで雰囲気を知ることが何より大切だと考えています。ご希望の方には、教員が一人ひとりに直接対応し、普段どおりの研究室をご覧いただきます。学類生の方も、他大学・高専から進学を考えている方も、どうぞお気軽にご連絡ください。

まだ志望や進学先が固まっていない段階でのご連絡も歓迎します。「どのような研究をしているのか、話を聞いてみたい」というだけで構いません。

メールの件名を [通信システム研究室見学希望] としてご連絡ください。
E-mail:ebihara <at mark> iit.tsukuba.ac.jp

毎年のオープンキャンパスでは研究成果の展示や入試説明会を行っています(参加予約は不要です)。詳細は知能機能システム学位プログラムのページをご覧ください。詳しい情報は配属・大学院入試のページに掲載しています。

  • 実海域実験@駿河湾 — 水中音響通信の実験風景
    実海域実験@駿河湾